ライブDVDのはなし
「家にある、微妙だと思うデザインについてブログを書いてね」と言われ、
家中を探していたのですが、先に良いと思うデザインを見つけてしまいました。
好きなアーティストさんのライブDVDです。
平沢進 Interactive Live Show ノモノスとイミューム
箱の中を覗き込む平沢進、と言うデザイン。タイトルやアーティスト名は脇に追いやられ、あまり目立つ配置、大きさではありません。
店頭に並んで販売する、と言う類の商品ではないためでしょうか?買う人はタイトルもアーティスト名も承知の上で買うので、そこまで目立たせる理由がないのでしょう。それに加え、これらのDVDは主に公式の通販サイトで販売されるので、サイト自体にタイトルなどの説明がしっかりと書いてあります。パッケージの文字は手に取らない限りそう読まれることはないでしょう。
このパケージの一番の主役は文字ではないのです。
では、一体何がこのデザインの主役なのでしょうか?
私はこの「箱を覗き込む構図」ではないかと思います。
これは、ストーリーあるライブのDVDで、複数あるエンディングはどれも「開けてみると、なんとこの箱の中にはこんなものが入っていました!」というような終わり方をします。つまり、このライブで観客や視聴者が最も気になるのは、結末で「箱にいったい何が入っているのか」ではないでしょうか。
このパッケージはまさにその「箱に一体何が入っているのか?」を反映したデザインではないかと思います。開けられた箱や中を覗き込む顔は「この表情はいったい何を見ているんだろう?」「何が入っているんだろう?」という気持ちにさせられます。
それこそがこのデザインの主役、一番表現したい部分でしょう。
また、ファンが見たいであろうアーティスト自身の姿が写っているのも、わかりやすくて良いのかもしれません。写真があればなんとなくそのライブ自体の雰囲気が伝わります。多少知識のあるファンなら、顔を見てなんとなくの時期もわかるかもしれません。
このようなデザインの意図のわかりやすさが、非常に好ましいと感じたので今回はこのDVDについて考えてみました!
ちなみに、他のライブDVDのパッケージをざっと見返してみましたが、後にも先にも、このようなわかりやすいものは見当たりませんでした。主なデザイナーさんは変わっていないので、このDVDはちょっと普段とは雰囲気の違うデザインだったようです。このライブのストーリー自体が、他に比べわかりやすくコミカルなものだったので、それに合わせてデザインの方向性も変えたのかもしれませんね。
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