微妙なデザイン

 先日から探していた、家にある微妙な(私が好まない)デザインを見つけてきました。

 前回に引き続きDVDですが、今回はミュージカル映画です。

JESUS CHRIST SUPERSTAR

 イエス・キリストの最後の七日間を描いたロックミュージカル。

 オペラ座の怪人やCATSで有名な、Andrew  Lloyd webberの名作を、2000年にブロードウェイキャストで映画化した作品で、1973年にも一度映画化されています。他に、2013年のアリーナツアーのDVD化も販売されています。

 日本でもジーザス・クライスト=スーパースターとして、劇団四季が上演をしていますね。


 何が微妙だと感じるのか、以下単純に私の好みの問題でもあるので、このデザインが好きな方はぜひその好きを大切にしてほしいです……


 まず、第一にシンプルにダサい。

 タイトルドーン!主役ドーン!!!と言う感じ。直球すぎてぽかんとしてしまいます。金色を基調とした、と言うか真っ金金のカラーリングもいかがなものか。金色にした意図が見えません。ジーザスの表情は大変楽しそうですし、周囲の人々も盛り上がっている様子なので、華やかな金色でジーザスの栄光的なイメージを出したかったのでしょうか。

 この作品、そう言う話では全くありません。

 極め付けはほんのり発光するジーザス。主役だから目立たせなくちゃ!と言うことなのでしょうか。主役のためのライティングでなければ、あるいは神の子ジーザスの威光のなせる技でしょうか。のわりに、指先までしっかり光ってくれません。ぼかしの範囲が雑なのでしょうか。それとも指先は発光機能を有していないのでしょうか。微妙です。また、二十年前の映画なだけあって画像が少し荒いのため、このほんのり発光ジーザスは非常に雑な作りに見えてしまいます。


 おそらくこの写真は、劇中で歌われるHosannnaという曲のシーンを使ったものだと思います。この曲で、民衆はジーザスを称え「笑いかけてください」というように楽しそうに歌い踊りますが、だんだんとその内容は不穏になっていき、ついに「Hey JC, JC Won’t you die for me?」と自己犠牲を迫るような、恐ろしい歌詞へと変化していきます。その次の曲Simon Zealotes、poor Jerusalemで民衆の暴走はさらに加速していきます。民衆や使徒は敵を倒し栄光を手に入れるのです!と力強く歌い上げますが、ジーザスはその栄光を否定し、民衆と自身の思想の解離を嘆く、という流れになっています。さらにこの後、奇跡を起こさないジーザスは、移ろいやすい民衆に見限られ、磔刑へと歩を進めていくこととなります。

 このようにHosannnaはだんだんと暴走していく制御不可能な民衆を描いた曲であり、この作品自体のストーリーも、パッケージの与える栄光的な印象とは異なります。

 ユダとソウルガールズによって最後に歌われるSuperstarがこの作品のメインテーマですが、これを見れば、どこにも金色の華やかなジーザスの姿がないことがわかると思います。

(多少流血表現があるので苦手な人は気をつけて)

 ざっくり要約すると「ジーザスさん、あなたって本当に聖書に書いてあるような人だったの?」というような歌詞がならびます。

 もしかしたらこのパッケージデザインはまさにそう言う部分を反映し、視聴者の持っているイメージそのまま=聖書の通りのジーザス像を描いているのかもしれませんね。指先はなぜか発光しないけど。


 以上、個人的に微妙なデザインの話でした。

 JCS自体はめちゃくちゃ大好きです😃2000年映画は公式がYouTubeにフルで上げていますので、気になった方ぜひみてみてください😚




きょうのはなし

デザイン勉強中の専門学生がコツコツ更新するブログです

0コメント

  • 1000 / 1000