CDジャケットのはなし
こんにちはふくよしです。
授業でブックデザインの課題が出ました。
私は本の方が分かりやすいと思ったので選ばなかったけれど、本でなくとも、CDやLPジャケットでも良いらしい。本は課題のために何冊か眺めたけれど、では選ばなかった方のCDジャケットは、一体どんなデザインがあるのだろう、と棚を漁って手に取ったのがこのCD。
森田童子自選集 友への手紙
これは2016年に出たリマスター版ですが、ジャケットはオリジナル当時(1981年)の物を使用し、歌詞カードもCD版(1993年)のものを使用しているようです。
このCDが棚にある他のCDと比べて目に止まったのは、やはり文字のみのシンプルな(ちょっと変わった)ジャケットのせいだろうと思います。
アルバム名を中心に、左右には入っている曲目がずらっと並んでいます。シンプルですが、フォントがいかにも古そうで、また、ざらざらとした線なので、すっきりしない印象。
それから、文字の背景はクリーム色ですが、ぼかしフレームのような加工がされていて、縁の周りがオレンジがかってやや濃く、古さ(時間の経過)を印象付け、それらを囲む黒い縁はまるで遺影のようです。この黒い部分は、良く見ると濃く青い色が混ざっているので、シンプルでものっぺりとすることがないのだろうと思います。
森田童子はジャンルはフォークソングですが、重く暗くじめっとした作風だと思います。孤立無援の唄、君は変わっちゃったネ、などにみられるように、終わってしまった青春から抜け出せない僕と、大人になって進んでいく周り、と言うようなテーマが多いですね。
このジャケットはそんな雰囲気に良く合っているように思います!
古さから見える時間の経過は、そのまま森田童子の歌う「ぼく」のイメージであり、遺影のようなデザインは、みんな夢でありました、に歌われるような、終わってしまった、死んでしまった過去の青春を想起させます。森田童子の歌の中で、過去とは「もう過ぎ去ってしまったもの」で、「ぼく」はいつまでもそれにしがみついています。
また森田童子の作品は、死そのもののイメージが漂う曲も多いのではないでしょうか?海が死んでもいいョって鳴いている、たとえばぼくが死んだら、サナトリウムなどは直球ですね。このCDにも、友への手紙、逆光線、ふるえているネなど、死の印象のある曲が収録されています。
また、自選集と言うこともあり、新曲が入っているという類のCDではありません。ターゲットは新規のファンではなく、既に曲を知っているファン層でしょう。つまり、ターゲット層には知っている曲ばかりのCDであるはずです。すると、曲名が並ぶだけのこのCDジャケットでも、好きな人にはそれぞれの曲の雰囲気が伝わるでしょう。
現に私は先ほどたくさんの曲名を連想しながらデザインについて考えました。このような森田童子の曲に対する共通の理解、イメージが根底にあるので、ジャケットの雰囲気がより具体的に伝わりやすいのです。
何も知らない人よりも、ターゲット層にこそ、より森田童子らしさが感じられるジャケットだと思います。
最後にこのCDジャケットのデザインについて、読み取れたことをまとめてみます!
・色やフォントで、シンプルだけどのっぺりしない工夫。
・フォントとぼかしフレームで古さ、時間経過を印象付けている。
・黒い縁で遺影っぽさ、死のイメージを感じさせる。
・文字だけでも、ターゲット層にだけはしっかり響かせる。
以上です!デザインのことなんてまだミリもわからないのでめちゃくちゃかもしれませんが、自分なりにどこが良いのかを考えてみました!日文だったせいか、デザインより歌詞を考えてしまった気もしますね🤔反省😔
今後の記事でも、手持ちのいろんなCDをじっくり見るのも面白そうですね☺️
森田童子はとても好きなアーティストさんです。暗くてじっとりしていますがとても良い曲ばかりです!ピラビタール、ぼくのせいですか、サナトリウムが特に好きなので、気になった方は是非聴いてください!!🤗
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